未病医学から見た漢方美容のNK細胞活性に及ぼす効果
2000年10月に科学技術館サイエンスホールで「第18回日本東方医学会」が開催されました。
学会での発表内容
目的
美容エステティック領域では、肥満、アトピー性皮膚炎、ストレスによる半健康症候群、美容上のトラブルなど様々な現代病、生活習慣病に悩んでいる未病人の施術が増加している。これに伴い、東洋医学(中医学)が未病人(半健人)の愁訴を改善し、心身の機能を整え、自然治癒力を賦活する効果をもつプライマリ・ヘルス・ケア(初期保健医療)として注目されている。特に古代中国の養生医学(未病医学)は、『病気にならないための医学』(生活医学)であり、日常生活における食の養生(食事指導)、心の養生(内面的ケア)、運動などの生活処方や良好な体質づくりに重点が置かれ、健康美の創造を理想像としている。
そこで、未病医学の美容エステティックへの応用として、東洋医学の根本原理である陰陽五行理論を基盤とするSBH漢方美容を体系化し、その有用性と普遍妥当性について検討した。
結論
NK細胞活性は、ストレス土や食事、睡眠、労働、休養、運動などの生活習慣のひずみの影響を強く受けると言われている。一般美容群ではNK細胞活性の上昇が見られなかった。すべての測定項目の成績を一般美容群と東洋美容群で比較すると、東洋美容群が一般美容群より著明な効果を示した。
異常の成績を通して、自己流ダイエットに失敗し肥満が解消しない若年女性に対しては、体質傾向(証)の判定に基づく経絡・経穴の刺激、漢方茶の飲用、カウンセリングによる心のケア、生活習慣の是正、運動療法などの総合的施術が効果的であることが明らかになった。
未病学を基盤とする東洋美容は、自然治癒力を高めることによって心身の機能的ひずみを整え、肥満を解消し、老化を防止し、健康美の創造に効果がある。
体質傾向(証)、心身の機能特性、生活習慣を個体差別にとらえ年代別にケアするオリエンタルエステは、個性豊かな健康美を創造し、抗加齢、未病治療、QOLの向上に有用な施術であるといえる。
学会の様子