「SBH式減量」の糖質制限とカロリー制限の差について
はじめに
食事療法・運動療法と共にエステティック施術を組み合わせて、SBH式減量の有効性の治験を行っているが、減量失敗を繰り返す治験者の原因のひとつに、食べたいだけ食べられないというカロリー制限がある。最近では、赤身の肉や魚、野菜を食べて糖質を制限する減量方法もあり、従来のカロリー制限との違いを検証した。
方法
本研究に賛同を得た男女24名を対象に、インフォームドコンセントを行い、同意を得た上で、4か月間の治験に入った。
方法は週一回以上のエステティック施術とサプリメントを含めた食事指導、運動指導を行った。治験は、4ヶ月のうち、最初の1ヵ月は被験者全員に1500kcal/dを目安に、カロリー制限を行った。減量の停滞期が始まる2か月目から、無作為にカロリー制限と糖質制限の2グループに分け、その差を検証した。糖質制限グループには糖質30g/d、タンパク質60g~70g/dを摂取するように指導した。評価方法は血液検査、体組計測定を行い、アンケートを取った上で治験前後の値で統計分析を行った。
考察・結語
生活習慣病予備軍である肥満を予防することで、増え続ける医療費を削減できれば、社会貢献できるのではないかと研究を行っているが、被験者にとって苦痛なのは、カロリー制限で、食事の量を減らさなければいけないことだった。
糖質制限については、賛否両論あるが、市場では、糖質に対しての意識が高まり、コンビニエンスストアでも、糖質カットの商品が出回り、無理をしないで、糖質制限できる環境になりつつある。今まで、減量といえば「食べられない」というストレスを抱えていた被験者たちが、糖質制限を行うことで、食事を楽しみながら減量できれば、肥満で悩む多くの方に希望が生まれるのではないかと考察した。
発表者のコメント ~スリムビューティハウスアカデミー 鍼灸あんまマッサージ指圧師 島田りか~
今年のメインテーマは、「東方医学の未来像~日本だからこそ可能なビジョン~」でした。
SBH美容研究所では、長年にわたり、肥満を解消し、健康寿命を延ばすための研究を行っています。肥満者が健康になるために減量をし、それを維持していくことは、東洋医学の世界でも「上工は、未病を治す」と言われるのと同じように難しいと言われています。
肥満者にとって、負担の少ない楽しみのある減量方法が見つかれば、多くの方の助けになるのではないかと思い、百枝加奈子医師と共に、2015年の臨床研究を行いました。
結果は、糖質制限グループも、カロリー制限グループも同じように減量に成功しました。
東洋医学では、食事から得る栄養は「水穀」といい、毎日の生活をしていく上で重要なものになります。減量を行うには、個人の嗜好が大きく関係します。それらをきちんと考慮に入れて方法を見つけていくことが大切だという結語になりました。
- 日本東方医学会とは
- 中医学、日本漢方、現代西洋医学の三身一体となった通常の学術研究の発表の場を提供する他に、学会において「是」と認識された治療や研究の社会への実際の応用や、今まで十分な教育や情報の伝達を任務とする東方医療振興財団の活動を学術・指導の面でサポートする事であり、学会誌「東方医学」や中国中西医結合学会誌の日本語版「中西医結合」の発行をはじめ以下の行事・目的を実行している学会。学会会員は、実地医家の割合が多く、難知性疾患、中でも癌、膠原病、エイズなどの治療実証に重点的に取り組んでいる。